生命の神秘、出産に立ち会うもタイムアウトで立ち会えず
私は単身赴任中のおじさんです。
妻の出産予定日前日の時点で、妻がまだ生まれる感じはしないと言っていたので遅れるんだろうなーっと漠然と思っていました。
出産予定日の日中は仕事に行き妻からも何もなし。
遅れるかなーと思いながら夜を迎えると、妻から少しお腹が痛いという連絡が。でも陣痛ではないと思うということでした。
ただなんとなく不安な予感もしたので帰る計画の頭の体操を始める。
翌日は幸い代休取得で休み。ただし明後日はどうしても仕事で休めません。普通のおじさんは自由ではないのです。
翌日だったら日帰りせざるをえず出産までは立ち会えないかもなーと思いまだ陣痛じゃないといいなーと願います。
そしたら案の定、夜中に電話がかかってきて、おしるしが出て陣痛が来たので病院に行くとのこと。
子宮口が開いてなければ家に戻ることになることから診察結果をしばらく待地ます。
するとすでに6cmくらい開いているということ。
朝一(とは言っても、始発は早すぎるのでやめた)の新幹線で大阪から熊本へ戻ることを決心して、往路の新幹線を予約します。
往路は細かく、あとは大雑把に翌日の計画を思い描きそのまま眠りに落ちます。
6時頃起床し、朝の支度をして、そのまま出発です。
義母も病院にいることから、お土産で551の豚まんを買おうとするも早くて開いておらず。そばにあった赤福を購入します。
電車で移動しながら帰りの新幹線も予約します。
雨が降り続き10月にしては寒い日でした。
新幹線に乗っている間に子宮口は全開になって一部破水もしたみたいという連絡がメールで来ます。
メールできるほどの余裕はあるのか?と少し疑問に思いましたが、無痛分娩にしており麻酔が効いているから今は楽チンということ。
九州に到着します。ここでタクシーで直行するのもありですが、腹が減ってしまったおじさんは、一息ついて落ち着くこともかねて昼食を駅でとります。
その後タクシーで病院に向かいます。
病院到着後は付き添いできている義母に電話して迎えに来てもらい分娩室へ案内してもらいます。
クラシックが流れて間接照明を活用した、落ち着いた雰囲気の分娩室です。
立ち会いのためソファーなども置いてあります。
妻は無痛分娩のため麻酔が刺さっておりそのほか血圧計や点滴など様々なものが刺さっています。
そしてほのかに苦しんでいる姿の妻に対面です。
どことなく神秘的で感動すら覚えます。
労いの言葉をかけて、ソファーに座って状況を見守ることに。
時折時間を知らせてやったり氷を口に含ませてやったりします。
妻が苦しくなると手元のナースコールで助産婦さんを呼び、診察になると一旦退出します。
分娩室前にもソファーやデーブルがあり飲食したりゆっくりしたりすることができ義母は主にそこにいました。
私も時折分娩室前のソファーや受付付近にあるWIFI及び電源完備のカフェで休憩しました。
また分娩室前のソファーで軽食やお土産で買った赤福をシェアして食べました。
豚まんは匂いが充満するため買わなくて良かったと心底偶然に感謝します。
無痛分娩はきつくなったら麻酔を打って痛みを抑えるのですがその反面いきみなどがやりづらくなるらしく、出産までには長い時間を要する傾向にあるようです。確かにすでに子宮口は全開なのになかなか出てきません。
長い戦いです。妻はもっと厳しい戦いなのでしょうが。
そうこうして何時間も過ごすうちに帰りの新幹線の時間が近づいてきます。
膠着しているということで助産医さんが進展するように処置してくれます。
しかしそうこうしているうちに帰る時間になってしまいました。
できれば出産の瞬間に立ち会いたいのですが自然の摂理にどうこう言うことはできません。
妻に声をかけて大阪へ帰りました。
ちょうど大阪へ新幹線が到着した頃に、生まれたとの連絡がありました。
出産の瞬間に立ち会えなかったのは残念ですが、妻の頑張りを目撃し、生命誕生の神秘を少しでも感じることができただけでも今回行った価値はあったかと思いました。
また、出産の状況やその後の写真が送られてくるにつれて、生命の誕生に感動しお父さんになったという意識も生まれてきました。
お金が限られて忙しい普通のおじさんでも、あらゆる努力をして出産には立ち会った方がいいと思いました。